岩手セラピー研究会

上部平衡系と上肢の運動連鎖

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 テーマとしてはとても難しい表題ですが、主催の今村さんが作業療法士であるということも大きく関わっています。東北そのものが勉強会が少ないとのこともあり、そして作業療法士が学ぶ機会が少ないという背景があるようです。これだけ全国に勉強会が多くなった今でも、全国津々浦々となれば、まだまだその学びの場は少ないのかもしれません。岩手セラピー研究会には、山形や青森などからも多くの参加者が集まり、何より作業療法士が30名以上参加しているということが特筆すべきことかもしれません。

常々作業療法士がもっと専門性をアピールすべきことだと私は考えています。理学療法と作業療法の専門性の境界線ははっきりいってわからない状況になっています。理念の違いはあるのか?その違いは他者から理解されているのか?医療といのは治療であり、その医学的ベースをもとにICFなどの新しい障害の考え方を反映させた社会貢献を実践していくことにあります。
 街づくりや地域への貢献などの意識は社会人として必要なことですが、専門性がそこかと言われるとあくまで医療従事者としての専門を持つべきなのです。生活とは人生とは作業だという理念を体現化した医学とは何か?そこは変わらぬベースとして医学の視点を持ちながら、各々のフィールドにて力を発揮すべきでしょう。
 作業療法は理学療法に比べて、学校が減り、入学者が減り、そして卒業生も減っている状況を耳にします。理学療法士の増大に作業療法士のバランスが取れていない状況なのです。身体機能という点では理学療法ですが、作業療法とはその専門性は何か?その明確なアピールが無ければ、ますます認知度が下がってきます。
 結果的に協会への帰属率や、職業そのものへの愛着やプライドそのものが失われてしまいます。人生そのものが個人のものですので、自由です。しかしながら、帰属という意識の欠落は個への意識へと向かいます。その結果、個人ありきの論理が展開され、ますます組織への崩壊へとつながります。
 主催の今村さんとも話しましたが、作業療法士の誇りを取り戻す!そんな活動理念にて頑張ってもらいたいものです。
 今回、本当に多くの参加者が多くの地域より集っていただき、その期待と時代の要請を感じます。上部平衡系というのは上肢が肩関節などの運動器としてではなく、抗重力下のなかでどのようなシステムの一つとして関与しているかという視点です。つまり姿勢制御のシステムの一つとして上肢帯を考えていくということです。今までは運動器は関節機能障害、そしてバランスや姿勢は別のカテゴリーとして分かれれていますが、そうではないということです。どれもが二足直立歩行を達成するために、重要な役割を果たしているのです。

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 またもう一つの視点としてヘッドフォーワードという、いわゆる頭部が前方位にあることの問題を取り上げました。多くの方が認識しているように、姿勢として頭が前方位にあることによる弊害は計り知れません。下肢骨盤帯の軸というのは足部と腰椎といった連鎖にて論理的にも実践的にもはっきりしているのですが、胸郭より上部の正中の基準や身体感覚の難しさがあります。
 胸郭が膝と同じように緩衝作用として役割を担っており、そして胸郭は心理や栄養といった視点からも機能障害が語られます。上部平衡系のバランスとは正中軸とはどのような客観的指標を用いればいいのか?
その一つが、写真のような肩甲骨を揺さぶることによる、シーソーのようなバランスです。左右の肩甲骨を小さな振幅にて交互に揺さぶることで、上部平衡系としての機能をみます。ユラユラとしてリズム感をみることで、抗重力においても姿勢を正中に保つための特に前額面の平衡に関与します。 
 上部平衡系の肩甲骨テストとして覚えておいていただければと思います。また頭位と胸郭の位置関係の身体感覚へのフィードバックの難しさもあります。これも一緒で上部胸郭を把持して揺らすことで、頭頚部が緩やかにしなることが指標となります。決して可動性とか筋力といった指標ではない、上部平衡系として自由度と外力への対応力と柔軟性をみることが大切なのです。
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ということで道場生の東北メンバーも岩手セラピスト研究会に関わっており、これからの活動に期待していきたいですね。
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