マッスルコンディショニングセミナー

マッスルコンディショニングセミナー 報告

 4月28日、念願のマッスルコンディショニングセミナーが開催されました。コンディショニングというのは、あまりにも一般的な言葉ですが、そのコンディショニングに対する思い入れが、諸橋先生と祝先生から感じられます。
 つまりは、動く前に身体のコンディションが整わなけければ話になりません。

 言ってみれば低栄養や睡眠不足ではリハビリにならないという、この当たり前の前提にたっての考え方が、筋骨格系においても適応するだろうということです。

 この筋骨格系のコンディショニングとは、筋緊張をニュートラルにするということです。
 筋緊張のニュートラルとは、適度の緊張は必要であって、弛緩ではありません。

つまり、硬い筋肉を解す≒弛緩ではなく、本来は生理的に整った筋緊張である必要があるのです。
また促通も最大収縮後のではなく、ハイパーも、ハイポも含めてニュートラルに戻るということになります。

池袋ステーションコンファレンスにて開催された濃密な一日のオープニングは諸橋先生です。
諸橋先生とは震災後の活動のFacebookを通じて交流がはじまりました。
所属がいわてリハビリテーションセンターであり、震災後も大変な尽力をされたことと伺っています。
諸橋先生の今セミナーにおける趣旨は、
「運動療法の中で結果を出しているセラピストは何が違うのか?」、「研修会で健常人のデモを見ても診療ではあまり役立たないのはなぜ?」、少なからずこんな疑問を持ったことがある人がいると思います。この疑問を解決する一つのヒントが筋肉のコンディショニングにあります。筋の生理学、生化学的特性、さらにはボディマッピングに関係する筋感覚の問題など、我々療法士は人体最大の臓器である筋肉を扱うプロでありながら、意外に筋のことを知りません。筋の知識を得て、筋のコンディションを高めることで運動学習を効率よく行うコツを是非学習しましょう。」

また自身のライフワークとしてのコンディショニングトレーナーの育成と、輩出を目指しており、30年間の臨床生活のなかで産み出された想いがあります。講義のなかではデモンストレーションも含めて、実際に起こりうる事例についてもご紹介いただきながら、コンディショニングの有り用を力説いただきました。

引き続き祝先生による、解剖学的な見地からのコンディショニングについてご講演とデモンストレーションをご披露いただきました。
祝先生の趣旨は、以下になります。
 『近年、理学療法士の専門性というとトレーニング分野が注目されがちであるが、我々はもともとコンディショニングの専門家でもある。しかし現在コンディショニングの技術の多くは手技療法という位置付けがなされ、理学療法士の基礎技能として十分に定着しているとは言えない。体表解剖学を用いた筋コンディショニングは特殊な手技ではなく、解剖学的情報から刺激部位を特定し、正確な触察によって選択的に刺激するだけで、筋パフォーマンスの正常化が得られる技術である。療法士の「触れる行為」自体の専門化及び標準化が得られるとともに、各種訓練や手技と組み合わせ、様々な臨床場面で用いる事が出来る当業界におけるコンディショニングの基礎技能となり得る技術と考える。』

先ず圧倒されるのは、その豊富な解剖学的な研鑽における知識と知見です。近年は資料として扱うにも難しい世の中であり、我々理学療法士が扱う機会を持つこともままならないと思われます。そう言った意味においても、実際の献体による知見をレクチャーいただくことは、非常に貴重な機会となります。
講義のなかでは、筋緊張における生理、そして解剖学的な筋繊維の走行と、各々の特徴など興味ある知見が山ほどありました。中でも質問させていただいたのは、ヒラメ筋の筋繊維走行が水平であるということです。つまりは筋は繊維方向に張力が働くとするならば、水平というのは意味がわからないたいうことになります。祝先生の見解としては、固定に働く筋であろうということです。確かに臨床においても、ヒラメ筋の、硬さをリリースすることの意義を感じる場面に遭遇しますが、まさにヒラメ筋は抗重力下における、足首の過剰な背屈位を制限することにより壊れるのを防いでいると言えそうです。
デモンストレーションにおいても、最低限の刺激量にて筋緊張が改善することを示していただきました。生理学的な見地からは間違いなく触るだけで変化するそのなりたちに、セラピストがどれだけ確信を持って実践できるかが、これからの命運を握っているように思います。
つまりは、ソフトタッチをマジシャンのような扱いにするのか、それとも当たり前のこととして体系づけられるかが、新しい理学療法を構築するためにも必要不可欠だというとです。
この原理をデモ時のマジックに終わらせないことが大切なのです。

この日はサプライズとして?実はすごい大人のラジオ体操の著者であり、JISSにて日々ナショナルの選手の治療に携わっておられる中村格子先生(整形外科医)がご来場いただくことになっていました。
私とは友人という言い方をしていただいておりますが、17年前に遡ること相模原協同病院時代からのお付き合いになります。といいましても、既に10年以上お会いしていないので、果たして知り合いではあるけれど、この時期に改めて出会ったといったほうが適切でしょう。
このことは次節にて紹介します。
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