浅田真央選手とトリプルアクセル

浅田真央選手とトリプルアクセル

 NHKサンデースポーツの新コーナーにて浅田真央選手のミニ特集をしていました。最近は顔貌が非対称になったような感じがしていたのですが、改めて見てみると、やはり歪んでいることが確認できます。
左右を比較すると全体的に左顔貌が挙がっているように見えます。
 気が付いたのは、世界選手権の表彰台に乗っている写真を斜めから掲載した新聞だったと思いますが、明らかに以前とは違う顔貌に見えました。
 年齢も一つ一つ重ねてくるので、表情が変わるのは当然だとは思いますが、バランスが変わるのは少し問題だと思われます。

 今シーズンはトリプルアクセルを封印して、プログラム全体の完成度を目指して取り組んできたとのことです。もともとはジャンプの得意な選手。それが、いつのころかアクセルの成功率が話題になるようになったのは、不思議に思っていました。成長とともに身体も変わってくるので、これは仕方がないのかもしれませんが、オリンピックの時に相当の減量をしてのぞんだことが、結果的にフィットネスと強さを低下させたのかもしれません。
 結果的にフリーを最後までやりきる体力の差がでたように感じました。金妍児の武器は、明らかにフィットネスに裏打ちされたパワーと持久力です。その体力の土台に技があるのです。加速とぶれない軸がベースとなり、加点を加えていくミスのない滑りです。
 浅田選手はオリンピックではジャンプのランディングからのスケーティングにて減速してしまう傾向がみられました。その結果、合わせる着地になるため最後までブレなく合わせることが難しくなってきます。スピードが落ちるということは助走をジャンプにつなげられなくなり、ますます筋力のロスを生みます。結果的に回転不足や着地に乱れにつながるというわけです。

 オリンピック後からは佐藤コーチになり、試行錯誤の連続だったと思われます。記憶が正しければ最初の一年は浅田選手の意向を優先してアクセルを跳ばせました。しかしながら、成功率が上がらず、得点も伸びない、結果も落ちてきます。そのことを踏まえて今シーズンは佐藤コーチの方針に耳を傾けることができるようになり、基礎からの見直しとしてのスケーティングとプログラム全体の完成度という方針にてグランプリシリーズは連勝することになります。

 しかしながら、結果的に優勝ということと、本人の本当に力がついたと思える実感の乖離があるのではないかと推察されます。誰よりも努力する浅田選手の姿勢そのものは、これ以上は望めません。だからこそ指導者の方向性つまりタクトがものすごく大事になってきます。

 一つ一つの完成度を上げるということと、そのつなぎのスケーティングを含めたフローをどうするかという両立がうまくいっていないように思います。

金妍児選手はインターバルをスケートにてどんどん繰り返して、いわゆる持久性とストレートラインのスケーティングの加速度を磨いています。そのスケーティングに乗って演技をしているのです。

浅田選手は演技をしながらスケーティングをしています。順番が逆になっただけですが、かなり違ってきます。一般的には浅田選手のレベルが現在でもトップレベルであり、メダルは普通にやれば確実ではないかと考えられます。しかしながら、本人もおそらく国民も金メダルしか期待していないと思われます。

また世界選手権で金妍児と20点近い差をつけられています。その差はふつうにいけば無理ではと思える差です。圧倒的な金妍児に対して、今迄通りのやり方では勝てないということです。もちろん本番にミスしたほうが勝利の女神が逃げていくと思われますが、現段階ではことごとくジャンプをミスするなど、考えられない滑りでない限りは逃げ切る可能性が高いのです。それも浅田選手にはノーミスでなければいけないというプレッシャーもかかってきます。

さて話を戻しますと、浅田選手はスケーティングの徹底的な基礎練習を繰り返しています。その映像をみたのですが、バックに送りだしならのスケーティングですが、骨盤が左側にシフトしているのです。それも持続的にです。その骨盤の体幹に対するシフトが左半身の拳上位に連鎖しているように思われます。

 つまりスケーティングの基礎という点は誰もが納得するところですが、どのような体躯を習得するかという観点が抜けているように思います。つまり加速とスピードと心拍を上げた中での芯を作る金妍児のフィジカルの軸を作りながらの練習と、スケーティングというエッジの使い方、つまり末端の使い方の調整に時間と意識を割くことで、結果的に身体全体のフォルムのための芯が抜けている浅田選手では、出来上がったフィジカルコンディションに違いが出るのです。特にバランスと芯の強さと太さと粘りを、重ね合わせていく金妍児と、結果的に滑りの質を高めるための技術習得に重きをおいた浅田選手の身体の出来上がりに差が出ているのです。

 四大陸選手権のアクセルの成功は、封印しているなかで骨盤が左シフトしている姿勢が固まったことで、左足からのジャンプとランディングは右脚の身体正中に近いところで実施されています。骨盤のシフトをそのまま生かすことで成功しているのです。

しかしながら世界選手権のミスの連発では、その骨盤のシフトが少なく、安定性が欠けているのです。本来なれば真っ直ぐのほうがいいに決まっていますが、スケーティングの練習にて骨盤が左にシフトしている浅田選手の演技は、やはりそのアライメントにて感覚が合うはずなのです。しかしそうはいってもズレているわけですので、足と骨盤が左にズレてもいい最小限の距離と、ズレることで骨や靭帯での支持を活かしたジャンプは、ものすごく確率が低くなります。いわゆる体幹による、姿勢制御の調整による結果ではないからです。

 もともとズレた骨盤の位置関係は、現在は真っ直ぐな位置にて作用するようにはできていません。だから、一昔前のノーミスというのが代名詞だった真央ちゃんとは違い、試合により不安定な滑りになっているのです。現段階ではフリーもショートもノーミスでクリアするのは至難の業です。それはどのスケーターにも言えることなのですが、金妍児がいることが、現レベルのさらなる高みへの進化が必須となっています。

また顔貌までもが歪みがみられる現状において、自分にとっての真ん中がわからなくなっているはずです。まずはストレートのスピードと力強さを肉付けして、技術に負けないようにしてほしいですね。
 
  
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