膝関節拘縮の理学療法

膝関節拘縮の理学療法

前の記事にて膝関節拘縮のメカニズムの一旦を述べましたが、具体的なアプローチについて言及します。
膝に限らず拘縮は何故に起こるか?その機序について明らかにすることで、アプローチも自ずと変わってきます。

①急性外傷や痛みへの防御
 まずは急性外傷ともいうべき炎症が発端となることが多々あります。当然痛みが伴うので動かせません。治癒には不動という選択をするのが、病気をしたときに安静に保つことが動物の習性ともいえます。つまりは、動かさないということにおいて治癒を図るということは、関節を不動に保つための筋緊張が必要になります。その留め金になる筋肉が防御的に収縮することで拘縮の機序が始まります。
 代表的なものの一つに、腸腰筋があります。腸腰筋は腰椎分離症などの不動を強いられる場合は、必ず緊張します。しかしながら、この防御的収縮は学習されるという特徴があります。痛みと筋緊張そして記憶が一体となるため、炎症や急性期が終わった後にもその連鎖が途切れないのです。
 既に治っているのに、痛みのあった時の運動連鎖が継続されることで、痛みの記憶が継続してしまいます。痛みはなくとも記憶が起こされると痛みを感じます。つまりは脳が痛みを感じているということです。もちろん脳が痛みを感じるのですが、実際には抹消部位の痛みは消失していたとしても脳に痛みが残存して、その誘発に運動連鎖パターンが関わるのです。よって動きを変えることで痛みが軽減するというのは、メカニカルストレスだけには留まらないということなのです。

②運動連鎖のパターン化によるバリエーションの消失
 拘縮や痛みがあると、関節は不動になるため歩行においても足を引きずるような破行を呈します。そうすると、関節の可動性やタイミングなどの連動性が損なわれます。このパターン化は足の着くポイントも点になってしまうため、いわゆる足部アーチの機能が損なわれてしまいます。足の荷重点と膝の屈曲角度と荷重線が一定となることで、いわゆる他人からみて明らかな破行になります。このバリエーションの少なさが、さらに脳内においては防御を指令することになります。多くを見ているとそのような機序が多々見られます。つまりは痛みや腫れがあるから破行を呈するのではなく、腫れや痛みの動きのパターン化が痛みや腫れを脳内において発現させるというものです。よってバリエーションを作ることによって姿勢制御の幅を作り出し、結果的に筋性防御および拘縮の機序が脳内にて解除されます。このように考えると、下肢荷重関節に限らずその不動化におけるバリエーションを改善させるることが、脳内の防御を解除することになり結果的に運動連鎖のとれた動きへといざなうことができるのです。

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