膝関節拘縮の機序

運動連鎖道場くろつち報告

福岡県の備前市。なんでも来年からの大河ドラマにて黒田勘平が放映されるようで、そのお膝元が備前市になります。その備前市にある、くろつち整形外科にて2月16−17日の二日間、運動連鎖道場を開催させていただきました。合計4回の講座で各月開催となります。
福岡空港から地下鉄と特急と乗り継いで、最寄りの駅に到着です。空港から二時間近くかかりますので、決して近いとは言えません。しかしながら、そののどかな風景は私の生まれ育った兵庫県の上郡町と似ており、どことなく親近感を持ちました。
今回は病院単体の主宰という珍しい企画になります。主に病院のリハビリスタッフが対象ですが、そこに若干名の外部からの参加を受け付ける形です。
来てみて分かったのは、くろつち整形外科は自社の研鑽のために、各講師をお呼びしての研修会の開催実績があるのです。なるほど、そのための単独開催なんだと理解しました。
 スタッフは15名の理学療法士で、外来のみの整形外科になります。外来部門が減ってきている現状に置いて、このような病院がることは地域の人たちにとってもとても心強いことと思われます。
 スタッフは20代が中心で一昔前の熱い理学療法士が集っている職場のようです。ギラギラとして熱気と個性に溢れた理学療法士は、回復期などが主流となってシステマティックに動かなければ行けない現場が多くなった現状においては、珍しくなったと言えます。各々が競争をしながら、勉強に励むその姿勢が、さらに患者を呼び、スタッフの質を上げて行くことになります。
 何より院長さんのスタッフの研修会への開催や参加に対する全面的なバックアップと啓蒙があるようで、そのスタンフがスタッフをさらに高めていることになります。
 また今回も是非一度、運動連鎖アプローチの話を聴きたかったということを耳にすると、待っていてくれること、そしてその話を楽しみにしていただけることの有り難さを感じます。
 今回のテーマは足と膝になります。膝の理学療法において、何故に膝以外のアプローチが有効であることが多いのかを少しののべたいと思います。
 また膝の屈曲拘縮における運動連鎖アプローチの考え方についてものべて行きます。つまりはテクニックとしての技術ではなくて、病体についてのコンセプトが不可欠なのです。どういうことかというと、テクニカルな施術や技術講習会では臨床応用にならないからです。痛みをとるだけのテクニックでは、リハビリテーションの理念を体現するための理学療法にはならないからです。
「膝関節拘縮に対する理学療法」
 膝関節が長らく炎症と関節可動域制限にて遅延している患者さんがいらっしゃいますが、非常に難渋することになりがちです。何故なら既に荷重すること自体が過負荷となり、治癒を遷延させてしまうのです。例えば他動的なROMエクササイズをして可動域が改善したとしても、翌日には元に戻ってしまっているということを繰り返してしまうことがあります。このようなスパイラルに陥ると抜け出せなくなります。特に入院時なら活動をある程度は制限できるのとリハビリ頻度も確保できるので治癒に導きやすくなるのですが、退院して外来になった時点においても遷延的な状況が繰り返されているとするならば、活動度も上がりさらにはリハビリ頻度も下がる現状において、機能的な回復への条件は難しくなってしまいます。
 ではここで可動域とは何かを考えていたいと思います。正しくは関節が自動で可動域全域にわたって筋肉によって遂行されるということが、活動における実践的な関節可動域の定義となります。
 つまりはlagがあると、その関節は筋肉によって骨関節が円滑に遂行されていないということになります。結果的には骨関節そして靭帯などに負担がかかり、日常生活そのものが過負荷となってしまうのです。結果的に膝は完全伸展出来ない状況で常に曲がった肢位にて荷重することになります。
 ではどのように対処するか?経験的にわかるヒトも多いと思いますが、ROKエクササイズを他動的にやって、自動でも教えて、さらに大腿四頭筋を鍛えるというような通り一遍等なアプローチでは、ほとんど効果はでないことが容易に予想出来ます。つまりはlagがあるということにおいて、既にどこかでひっかけて支持する必要が出てくるのです。それは大腿筋膜張筋であったり、大腿直筋であったりと長い二関節筋を使って、マストのように張るのです。これは本当の意味での単関節筋やインナーでの支持ではないため、動きと肢位がパターン化してしまうのです。バリエーションの少なさ。荷重点が単一で見た目には足部は固定された歩行となります。よって関節の連動性もなく、ある一定の肢位でのパターン化された筋の使い方によってロコモーションが遂行されてしまいます。このようなパターン化は生体としては固めろ!と指令を出します。動きが少ないということは既に防御であり、防御指令は固定化への道を辿ります。不思議なことに脳の反応は実際に炎症症状が起きるような外力が加わらなくても、その時にとっていた肢位や動きのパターンにより、脳の記憶が呼び起こされるのか動きのパターン→脳内の炎症サイン→実際に関節の固定への道筋を辿ることがあります。
 よってこのリンクのどこを崩せば、拘縮や遷延的な炎症を止めることが出来るかを考えなければ行けません。

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