顎関節

 運動連鎖道場in鹿児島 報告Ⅱ

そして顎関節です。顎は歯科の分野にて相当の進歩をみせている分野であり、私が勉強しだした20年前にはすでに、これは理学療法士が改めて運動学的な観点から突き詰めるまでもないくらいに進歩した世界であることがすぐにわかりました。運動学的な側面は医師であっても専門ではなく、いわばリハビリの独壇場の様相があります。しかしながら、この噛み合わせをはじめナソロジーにおいても、とてもつもなく機能解剖、そしてリハビリテーションの概念が最大限に突き詰められていたのです。
 歯科の分野ではあらゆる身体変化はadaptation(適応)であるという概念がある。人間は適応することで、変化することができる。噛み合わせはその適応の代表ともいうべき現象が多々見られます。下顎運動そのものは多くの反射の抑制によって運動が構築されており、開閉口ともにその運動軌跡は実に絶妙なハーモニーによって彩られています。
 下顎は一対の関節を持つ固有の骨であり、その特異性はぶらんこのように重力水平器としての役割を担っています。よくスプリンターで顎が揺れながら走っているスローモーションがでてきますが、歯を食いしばってではなくリラックスして走ることが不可欠であることを物語っています。
 頭で考えると一生懸命走るのだから歯を食いしばって頑張るというイメージですが、リラックスや楽しみながらというpositiveな側面である筋肉や平衡機能へのメリットを最大限に活かすことにつながるのです。
 
①側頭筋は下顎の筋突起に付着しており、ブランコの鎖のようにバランスに関与している。そして、側頭筋は前中後部繊維に分かれて機能分担しており、各々を抑制と促通をすることで筋バランスを整えることが大切となる。

②外側翼突筋の弱化による、開口閉口障害は顎関節の不安定性を招く。外側翼突筋は開口時の関節突起と関節円板のガイドとしてだけでなく、終末期の抑制にも重要な働きをしている。

③顎ニ腹筋の緊張と圧痛は舌骨を調整しながら、リリースすることで緊張が正常化する。下顎のガイドとしての機能と顎関節の後方への変位を是正することができる。

④舌骨下筋群は下顎の開口時に誘導として働く。ただし舌骨上筋群とともに能動的に働くものではなく、あくまで適正な筋緊張のもとに誘導するという立場である。過剰な筋収縮が見られる場合は抑制が必要となる。

⑤表情筋の左右差も開口と閉口の軌道に影響を与える。特に口唇の拳上や下制筋の左右差は是正が必要である。

⑥咬筋は閉口筋のなかで最も力を発揮する筋であり、左右差が大きくなりやすい。ボリュームそのものに左右差ができやすく、場合によっては外科的な対象になるぐらいである。咬筋には深層と浅層があり、深層部繊維のバランスをとることも大切である。

2012-11-17 16.15.51
運動連鎖道場鹿児島にて上位頸椎と顎の関係そして眼球運動などをみています。
次回は12月23(日曜日)-24日(月曜日祝日)のクリスマスに追加としてインソールセミナー開催となりました。クリスマスのひと時ですが、ぜひ一緒に楽しみましょう。
 
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