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運動連鎖道場鹿児島ファイナル

運動連鎖道場鹿児島ファイナル報告

2012-11-18 16.36.01


 約半年間におよんだ運動連鎖道場in鹿児島も本日11月18日に全課程を修了しました。スポット参加者も多く全課程の履修者は6名でした。今回は頭蓋顔面顎関節をテーマに講習をしましたが、最後の頭蓋調整については、かなりの応用を要する内容となりました。

理学療法における頭蓋療法の考え方
 まずリハビリテーションの現場における頭蓋へのアプローチは、一般的には馴染みの無いものです。嚥下やST分野においては確かに口腔顔面となりますが、実際には嚥下機能としてのという下りであり理学療法においては専門外となってしまいます。果たして理学療法において頭蓋を扱うことは必須なのか?それとも世の中のブームだからやるのか?オステオパシーにて習ったから使うのか?どれも敢えて必然性を高める必要も無いものです。つまり、そこに着目しなくても十分に理学療法としてやっていけるのです。

私が頭蓋顔面に取り組みだしたのは20年も前のスポーツ分野における噛み合わせからでした。スポーツにおいてはマウスピースにて姿勢がよくなったり、力が出やすくなったりということは以前から言われており、現在においても愛用しているスポーツ選手は沢山います。
 最初はスポーツ外傷をみるにあたって顎や噛み合わせに着目する必要性を全く感じなかったですが、臨床スポーツ医学の雑誌に論文として掲載されているのを読んで、もしかしたら自分が着眼点がないだけで本当は見逃しているのかもしれない。という思いから全身咬合学会などの学会に参加するようになったのです。
 咬合にて腰痛や姿勢が改善したという報告は事実であり、そのことは変わりません。腰痛なら腰椎や筋肉へのアプローチにて改善することが当たり前の発想において、何故に噛み合わせなのか?
 そのような思いにて取り組みだした分野でした。それから研鑽をつみ今での顎や噛み合わせは必須となる要素となっています。
 次に取り組んだのがカイロプラクティックにおける頭蓋療法です。私の場合は身体呼吸療法を提唱している大場弘先生に師事して頭蓋療法のいろはを学びました。頭蓋が動く?躍動する?内圧変動をみる?最初はさっぱりわかないチンプンカンプンの世界です。第一次呼吸機序というような頭蓋仙骨療法における説明もみられます。つまり肺呼吸の前に行われている呼吸だから第一次だそうです。仙骨と後頭骨が織りなす波動は生命の営みである脳脊髄液の還流を促し、人間における生命の叡智を引き出すという荘厳なうたい文句が売りです。あまりにも脳脊髄液の還流といった観点が最上級に賛美されすぎている帰来はあります。
 私の今までの結論として呼吸における関節や筋肉の内圧は運動連鎖の最少単位であり、全身の循環や呼吸を促すもととなっています。脳脊髄液もその一つにすぎません。理学療法やリハビリにおいて、全くない概念であるからこそ、その神秘性が一人歩きしているのです。私からすると運動連鎖としての頭蓋や神経の営みとしての一つです。確かに本日も参加者において左半身の神経のトーンが低下している事例がありました。これは頭蓋の骨格としてのアライメントを戻すアプローチでは歯が立ちません。機能障害のもダリティーが全く違うからです。神経そのものが何らかの抑制によってダイナミズムを失っているということです。神経はナーブストレッチという伸縮が動きの中で起こります。ところが関節は動けど、全くその神経系がテンションを変容させないような場合があります。それは長らく神経そのものを圧迫したり、損傷したりなどにて軟部組織のなかの神経の抑制です。膝であればじん帯損傷したら内側広筋が抑制され萎縮するのと同じで、神経そのものがダメージにより伸縮性を失うことがあるのです。脳は硬膜で覆われており、末梢神経とも繫がっています。つまり末梢神経の伸張性が脳にも当然つたわっているのです。脳の抑制がみられる事例においても神経系のアプローチが有効です。そして頭蓋を通じてその感覚入力をダイレクトに脳に進達させることで変容を促すことが出来ます。
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