膝関節拘縮へのアプローチ2

膝関節拘縮へのアプローチ2

 前記事では膝関節硬縮に対する前提に対して記載しました。なにゆえ前提や原理が必要かと言いますと、その場での一回にて良くなるとかいうものではないからです。楽になるということと良くなるということは違います。実は一番難しいのはテクニカルの徒手療法などの問題は、そのテクニカルをどの時期にどのような方法や肢位にて、そして日常生活での注意点や禁忌、ケアーの方法そしてメンタルケアーなどの織りなす過程こそが臨床だからです。その中で手技の占める割合はほんの一場面にしかすぎません。よく研修会などで徒手療法を学んでも実際に臨床に戻ると、意外にも使う場面が無いことに直面することが多々あります。その理論背景を説明され研修会では実技を体験しますが、その効能の割にはリハビリテーションの場面では使う場面が少ないということです。これが開業独立して、リハビリテーションよりもコンディショニングをメインとしたクライアントの場合は、その効力と使う場面が多くなります。いわゆる不定愁訴やコリや疲れのケアーに関しては、治るではなく楽になるという方法こそが頻用されるからです。このようなクライアントは不通に歩けます。つまりは見た目は健常人で実は抱えている愁訴があるというタイプです。研修会の実習においても、参加者は健康人ですので当然効果はでます。翌日にはその効果が消えていることを考えると健常人であっても即時的な変化に過ぎないとも言えます。その変化をもってその手技が全てのリハビリテーションの行程にて適応というわけではないことを肝に銘じておくことが必要です。どの場面にて使うべきものなのかによって、必要性は大いに変わってくるのです。よって、オステオパシーや整体などの手技の世界が普段医療に関わっているはずなのに、リハビリとは全く違う分野に見えるのはそういうことです。またbodyworkの世界においてもしかりです。身体を扱う分野において、全く違うカテゴリーに見えてしまうということです。その違う世界に感じているうちは、実はモノになっていない段階です。自らの中で別世界に見えない状況になって始めて使えるようになるのです。当たり前の状況になった時に自らのフィールドにて汎用できるようになります。問題はその新しい世界をもって、今いるリハビリ環境がまた別世界に見えてしまうという場合です。つまり今のリハビリテーションの医療ややっていることが、他の新しく学んだ業界に比べて良くないというような感覚に陥ったしまったとしたら、または自らの特別視、その後に待っているのは自分は何をしているんだろう?これはリハビリなのか?または、何故自分を認めないんだ?まわりはというような自尊心の葛藤ということになります。病院に来る患者さんは病理しては進行した状況になっています。健常者の感覚入力による反応というレベルをどのように治療に結びつけるかが大切であって、単にその場の変化を出すことではないのです。単なる変化であれば素人であってもできます。だから治療の世界に医療従事者でない人であっても生業として成り立つのです。

膝関節硬縮のリハビリテーション
第1phase:関節可動域が大きく制限せれており、炎症症状もある。荷重もままならない事例の場合。
 このような場合医療機関ではCPMやアイシングなどの処置が施されます。それはエビデンスでもあるからです。リハビリでは、徒手的にROM訓練や自動でのウォールスライドやヒールスライドなどの自動です。そして大腿四頭筋のisometricでの収縮を促す、PWBでの荷重、温熱や超音波などの物理療法の併用ということになります。
このオーソドックスなアプローチににて好転しないので、難渋してしまうことになるのです。つまり一般的に考えられるアプローチに反応しないということが一番のネックになります。
 ①最初にどの筋肉をターゲットにするか?
 ⑴大内転筋の促通:普通であれば内側広筋と言いたいところだが、これは何故か効果が薄いのです。つまり膝の固有筋群の促通とはいうものの、実際には運動連鎖が背景になければ効果が出ないのです。局所の変化は全体の適応によって定着するものであり、効果や変化がでるのです。単独にその部位だけが促通されるということはないのです。運動連鎖の原則として反応のあるところからアプローチする。つまりは運動連鎖のあるところからアプローチするという原則があります。つまりは、反応のないところ、運動連鎖のないところはアプローチをしないというのが原則です。
 大内転筋の遠位の繊維は大腿骨の前面に付着しています。解剖の書籍によってそのあたりは違いがあるかもしれませんが、この大内転筋は大腿骨の正中化に関与しているらしく、膝の軸に大きく影響を与えます。最初は大腿骨に対する脛骨の誘導と考えますが、大腿骨の誘導による膝関節軸の安定化というほうが正しいようです。先ずは膝周囲の運動連鎖つまり背景を整えていくことによって、硬縮という最何度の病態の氷結を解かなければいけません。太く重い氷の壁を溶かしていくためには周りからです。いきなりその塊に向かって言っても跳ね返されるというわけです。
 ポイントは関連要因となる膝関節周囲筋群に対して運動連鎖を促通していくということです。

⑵腸腰筋の促通:膝関節屈曲には股関節の屈曲が伴います。ここで骨盤の挙上などの引き上げが出てくると、曲がりが制限されます。膝を動かすという身体感覚を過剰に想起させることで、努力感を得ようと無意識の内に人はアクションをおこします。この自己満足ともいうべき筋収縮感覚は、普段では全く感じていないものなのです。努力感イコール効率良い動かし方とは言えません。膝の曲がりに執心するのではなく正しい軌道に乗せるという意味に置いても腸腰筋の促通は必須です。

⑶大腿筋膜張筋の抑制
 膝OAにおいて最も厄介なのがTFLになります。これは、腸脛靭帯とつながっていることからも筋肉と靭帯がはっきりと呼称がついている珍しい筋肉になります。つまり腱の役割である粘弾性と筋収縮という二つの役割を担うのです。アキレス腱と同じくプライオメトリックな働きを有しています。つまりは筋収縮では得られない瞬時の弾性です。筋のコントロールというよりもバネのような役割ですので、ハンモックのようにもたれかかりやすい筋肉であるのです。O脚が多いとされている日本人において、このTFLはもってこいのハンモックであり、またそのハンモックそのもののテンションがO脚を規定するのです。膜系は記憶しやすい学習しやすいという特性があるので、一旦癖がついてしまうと固定化されてしまうのです。このTFLからITTについては分けてアプローチをします。ストレッチではなかなか解れないことは、臨床にて感じていることだと思います。それは長い筋肉であるがゆえに全長にわたってストレッチすることが適当ではないということです。いわゆる膝と骨盤をまたぐ二関節筋ですので、その二関節の不安定性が筋緊張の原因となります。これがストレッチでは解れない理由の一つです。関節の安定性と関係しているということは、ジョイントへのアプローチが不可避であるということです。もちろんTFL〜ITTが正常な緊張に戻れば、それはそれで関節への好影響もあるでしょう。そのためには関節と、筋と腱に分けたアプローチが必要でなのです。
 TFLの抑制肢位:大腿筋膜張筋の緊張は拘縮膝においては強固に学習されているため、容易ではありませン。TFLの抑制肢位と拮抗筋の促通とそしてダイレクトに筋肉や腱に対する施術を同期させるのです。肢位は仰向け、股関節伸展そして内転ですが、往々にして難易度が高いのでできる位置にてセッティングします。そこから大内転筋の促通とITTの付着部である結節に対して押圧を加えます。または膝および仙腸関節をFIXさせます。それによって自然にTFLの緊張は改善し膝の可動が回復してくる機序に入ってくるのです。
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