膝関節拘縮へのアプローチ

膝関節拘縮へのアプローチ

難渋する症例の一つに膝関節拘縮があります。局所へのアプローチでは改善が思わしくなく、しかしながら全体的なアプローチ、例えはCKCでのアプローチが適応になるかといえばそうでもない。本治療法と呼ばれる、なんでも効果ありますよと唄っているコンセプトもありますが、個別性がなければヒットしないことも多い。

これさえやれは一発にて良くなるという方法は、拘縮には存在しないからだ。もしあるとすれば、崇高な理念と脚色されたまたは誇張された効果機序に魅せられた、信じる気持ち、妄想にも近い思い込みということになります。
ただ原理原則にいきつくことは大切です。理学療法における身体機能の原理原則が存在しないので、これは核がないことを意味しています。反面、免疫がないことでもあり、容易に外来種に侵食されやすいことも確かです。
何にでも染まれれる自由度は正義という名文の元に、手段を選ばないということに陥りがちです。
全体を俯瞰することと、部分的に突き詰めること、今、理学療法はその狭間に揺れています。
専門家として成り立つならば、ある部門のスペシャリストでしょう。町医者なら総合診療が理想でしょう。余りにも高みに突き詰めた専門領域がある中で、全てを極めるのは不可能です。身体機能というならば、余りにも多くのカテゴリーがありすぎて、最初からこれだと決めてかかった方が、迷いがなくエネルギーをつぎ込めます。
私のタイプは最初から、身体機能の全体をどこからでも切り込める総合タイプです。総合格闘技にもグラップリングもあれば立ち技もあるという、総合診療にも持ち味があります。
私もこの観点でみろと言われれば、そこにフォーカスを当てることはできますが、問題は大海の大海原から糸を手繰り寄せる作業。つまりは診断になります。理学療法でいえば見たてといいますが評価になります。その方針を立てることができるかどうかが、最大の突き詰めなければいけない道です。
幾千ともあるコンセプトを取捨選択して、尚且つ個別性を加味してプログラムすることになります。
例えば半月板損傷を腰の問題だと言い切る整体師もいれば、嵌頓症状が見られる場合は間違いなく手術です。一時的に保存で改善したとしても、10年後にはどうなるかはわかりません。
お互いが隙間を埋めるように、あらゆる視点にて見て行くことが必要です。私自身が思うのは一人で一人の観点のみで見ることの危うさです。勿論ドンピシャでハマることもありますが、他の視点か入った方が断然いいこともあります。これは自らの主観が容易に独善的になりやすいことを物語っています。これほどまでに考えたので自らにご褒美を!苦労したことには、自らを褒めてあげたいと思うことは当然のことで、それが時として軌道を外す事になるのです。
よって素晴らしい先生が臨床において、そのオーラを、出しまくっていたのではおそらく上手くいかないでしょう。講習会や団体の中では、多いにオーラを放っても構いません。勿論、それが臨床家としての雰囲気が出てくる事は必要です。

話が多いにずれましたが、先ずは経験的に膝関節拘縮に対する原則を列記します。
⑴膝は伸展すれば屈してくる:
膝関節の可動域を確保しようとする時に、先ずは屈曲と伸展どちらを重視するかという問題があります。最終的にはどちらも確保しなければいけないのですが、経験的には曲げすぎると、伸びなくなります。しばらくは曲げた痛みで逆に歩きにくくなります。
膝関節は最終伸展の30°ぐらいから内側広筋などの固有の筋が働いてきます。つまりは伸展位にて保持するという行為の大切さと、固有の機能が必要である事を物語っています。結論としては伸展を重視するということになりますが、その論理的背景は以下に述べます。

⑵荷重下での膝伸展と機能回復との関係
他動的に曲げられるということと、能動的に曲げれるようになるということは、また別のカテゴリーになります。何故ならば能動的に動くということは、関節可動域の全域において角度角度に応じた筋肉の誘導とバランスが、必要だからです。よって暫くは関節可動域訓練をしたことが、すぐには定着しないということを繰り返します。現在はリハにおいて余りROM訓練を積極的に行う機会は減ったと思いますが、以前は拘縮膝はものすごく多くて、リハビリイコール拘縮といった印象もありました。つまりは機械ではないので、万力で曲げたら直ぐに能動的に動くようになるということでは無いのです。
何故に伸びを重視するかというと、その後の加重下での影響があるからです。荷重下では膝伸展機構の破綻があると、軽度屈曲位にて固定されます。この屈曲位での荷重は結果的に膝関節への負担を増大させます。膝は歩行時に完全伸展のフェイズはないものの、滑らかに屈伸か行われることによって、半月板や軟骨への負担は軽減します。また膝屈曲は大腿直筋の働きを、増やし、PF関節への圧迫も増大させます。かばうということは固するということであり、そのメカニズムはつまりは治癒への身体が有しているメカニズムです。つまりは膝伸展機能は曲げるという機能に比べ、得られにくいということになります。生まれた時は全体的に屈曲であり、その後に成長発達に伴い伸びてきます。また伸びないとは内側広筋などの安定固定筋が、働かないということでもあり、負担は計り知れません。リハビリにて関節可動域が拡大しても歩くと過負荷になり、結果的に疲労と炎症につながり、またも拘縮の機序が発現するということになるのです。また膝伸展機構は屈曲に比べて制限因子が多く、膝蓋下脂肪帯や関節包の炎症による肥厚などにより、伸展を妨げてしまうのです。

次回は具体例を示しながら解説していきます。
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