前庭動眼反射の臨床応用

前庭動眼反射の臨床応用

 今回、運動連鎖道場in広島では顎関節が一つのテーマでした。顎は上位頸椎と関係が深くそして、上位頸椎を支持している後頭下筋そして前頭筋群は眼球運動と関連しています。つまり顎〜上位頸椎〜眼球はお互いが頸椎と介して深く連鎖しているということです。

 元来、個体は発生としての発達学をひも解くと、赤ちゃんはまず眼球運動にて探索行動の第一歩を記します。先ず最初に起こる眼球運動にて上位頸椎の関連筋群が促痛されることで、頸椎の回旋の60%を担っているとされている環軸椎の回旋つまり頸部の回旋を獲得します。頸部の回旋とそして眼球運動により固視という機能が促進されます。

固視ができなければその後にくる姿勢制御に大きく支障をきたすからです。
眼球運動が頸部の回旋を促しそして寝返りへの誘いとなります。
また上位頸椎の促痛は眼球運動だけでなく、生後四ヶ月までにみられる吸啜反射、吸啜反射、嚥下反射などの一連の反射を含めて「哺乳反射」があります。反射ですので後天的に獲得されるというよりも、備わっているものです。既に反射レベルにて上位頸椎の運動性が促通されることになります。

今回の道場にて顎関節と歩行そしてステップについて実習しました。つまり軸足となる側と同期して顎が動くと、荷重がより軸足にかかり踏ん張る力となります。そして軸足と反対側に顎が動くと、スムーズな移動になります。
これは正常歩行において、より負担の無い歩行になります。
踏ん張る歩行は重たいものをもったりと、力仕事には欠かせません。靭帯や骨性に支持を作るのでOAになりやすくなります。踏ん張るとは歯を食いしばって耐える、ということになります。しかしながら、昨今のより奇麗な姿勢とアライメントにて人生を全うするというという価値観からすると、よりマトリックス的なスムーズな体重移動が望まれます。
 
 歩行で具体的に説明すると、左立脚時には下顎は右へ移動、右立脚時は下顎は左へ移動させることで、ストレスの加重を回避できます。さらに眼球運動を加えて行きます。
 前庭動眼反射のエクササイズは目眩のリハビリテーションにおいても応用されています、特に難しいことはなく目の前に差し出した指やボールペンから眼を離さないようにして、頸部を左右上下に回旋および屈伸にて動かします。普通は座位にて行うのですが、立位として片脚起立へと難易度を挙げると見事にふらつきが出てきます。
いかに眼球運動と全身の運動連鎖が関連しているかが改めて実感できました。

 この眼球運動と顎関節の動きを連動させてさらに歩行などを試みます。マトリックス的なスムーズな動きは、立脚側と反対方向に顎を動かし、そして立脚側の眼球を顎と同じ対側に動かします。つまり顎と眼球を同期させるのです。
 一般的に右眼球を右に向けると右側の上頭斜筋が促通されます。つまり頸部は右回旋に誘導されます。では左眼球を意識して右に向けるとどうなるか?これは左の前頭直筋や外側頭直筋が促通されるようです。つまり頸椎の右回旋でも、右側の横突起の後方への右回旋と左側の横突起の前方への右回旋があるのです。ただ前後の回旋は同じ割合だけ動くというものではなく、前・外側頭直筋は頸部の固定としての役割も大きいようで、支持を高めて顎関節の運動をアシストするとも考えられます。
 よって今までは後頭下筋の刺激としての同側の眼球運動でしたが、対側の眼球における動きにて、前頭直筋や外側頭直筋を促通することができるのです。
 実際に実践することで視野が広くなり、頭もすっきりとするようです。バランスなどの平衡機能も向上します。
眼球と顎関節そして上位頸椎の筋群を駆使しながら姿勢制御に生かして行く。相当の効果があることが実感出来ました。

 

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