頸部のstability

頸部のstability

 頸部のstabilityはわかっているようで分かっていない要素が多い、特にメカニズムは筋肉から説明出来てもアプローチが難しい。stabiltyはインナーマッスルが担うという前提にたっている。アウター具体的に関節を大きく動かす役割を担っている。
 頸部のインナーマッスルに関する非常に興味ある知見を臨床上経験したのでここに報告する。
そのクライアントは頸部のstabilityがほぼ消失といっていいほど低下している事例です。かといって頭部が支持できていないわけでもなく、腹筋のように抗重力においてもヘッドを持ち上げることはできる。
 そこまでみたら何ら頸部筋の低下は認められない。頸部筋肉の弱っている人では仰向けから頭を持ち上げようとしても頸部が伸展してしまい顎から挙上するような動きがみられる。その時に上位頸椎に負担がかかり頸部痛やめまいを引き起こすことになる。
 そういったいかにも筋力が弱いというパターンではなく、インナーのみが落ちているという状況です。
インナーが落ちるということは安定性がないということです。そうするとどのような現象が見られるかというと、まるで、不随意な錐体外路系の症状かと思われるような舞踏様の現象が頸部や肩そして腰部などの分節別に起こってきます。最初は自覚的なめまいとしての愁訴なのですが、具体的には脳や三半規管に帯する検査をしても異常はでない。確かに片脚起立などに若干の不安定性はみられるものの、かといって全くできないレベルでもない。つまり、回転性のめまいや脳幹などの問題による不安定性とは明らかに違うのです。よって治療者側としても病的なめまいという現象を自覚的意外には見いだせないという状況なのです。
 運動連鎖アプローチ評価として立位にてセンタリングを合わせると、これは保持が難しい。つまり身体軸を重心軸に合わせることができないことは確かです。そして身体軸を合わせてのつま先立ちはほぼ出来ません。よくみられるまったく踵が上がる気がしないという、これも健常者でもみららる現象です。ただ過剰に前かがみになったりと、同じつま先立ちができない人と比べても、極端に軸を外さなければ遂行できないことは確かでした。
 ただそこまででは脊柱も含めたインナー全体の低下による現象とは、私自身もダイレクトには結びつけられませんでした。インナーといえば体幹というイメージで、出てくる筋肉は腹横筋や多裂筋になります。あとは腹斜筋やせいぜい骨盤底筋、まだ腸腰筋でさえも十分に認識されておらずその役割が明確化されていないのが現状です。
 ここでいう頸部のインナーというのは頸半棘筋や頸板状筋そし後頭下筋群になります。椎前筋もインナーとしての重要な役割があると思われます。特に発達の段階で定頸に至る過程において、座骨支持の座位から両手を保持して後ろに傾けたときに必要な頭の保持においてはダイレクトに椎前筋の役割が重要になってっきます。

 しかし頸部のインナーの役割の特殊性は、いわゆる胴体よりも細いそして可動性のある自由度が高い部位ということです。赤ちゃんが追視から頸部の回旋そして寝返りへとつながるように、実は頸部筋群の発達は屈筋からとか伸筋とかからなど場所の特異性はないのです。それは体幹でも同様かもしれませんが、特に頸部においては致命的になりかねないのです。
 仰向けになっている状況では伸筋は抗重力性がないのであまり刺激を受けないと言えます。うつ伏せになって初めて伸筋が鍛えられるということであっては間に合わないように思われます。また伸筋と屈筋のバランスはとても重要であることは間違いなく、この安定性はうつ伏せと仰向けの割合によって決まるようでは、もっと一人一人の頸部の特性が顕著にでるはずなのです。つまり頸部の深層筋は屈筋が刺激されれば伸筋も促通されるようにできているのです。
 大きく言えば体幹もそうなのですが、体幹であればもう少し周計が大きいので、そこまで影響は受けません。まt亜腰椎と胸椎は適度に動きの制限をもっています。
 ところが頸部は回旋がメインでありまた屈伸も側屈にも自由度が大きいのです。頭には重たい脳がつまっており、頸部はそれでなくても球を乗せている状況です。

 症例では最初は上位頸椎の上頭斜筋が全く動いていなかったので、その部位の促通から始めました。しばらくすると見違えるように促通され、同時に下肢と腰部体幹の脊柱の連鎖を促通することで、分節的な動きの促通を目指しました。体幹としてはぐにゃぐにゃしているわけでもなく、むしろ固まっている感じで、しかしながら一般的にものすごい異常に見えるかと言われるとそうでもありません。いわゆる硬いなという範疇の認識です。しばらくすると腰部あたりには分節性がみられ、つま先立ちなどのセンタリングが向上してました。その間も肩甲骨が勝手に夢遊のように動いたり、頸部が勝手に前後に屈伸したりということがありましたが、変化の途上という解釈でした処理出来ない感じです。
 インナーが促通されることでその今まで活動していなかったi情報が脳に伝わり、本来であれば大きな筋群に抑制されるべきインナー特有の動きが見ているのだろうと定義してきました。
 上位頸椎の上頭斜筋と体幹のセンタリングそして、四つ這いにて肩甲骨の安定性の促通によりかなりの体力も含めた改善が認められてきた矢先に、急に頭部の螺旋状の振幅の大きな舞踏のような動きんが出現してきました。その動きは全身に波及し腰腹部など全体にみられます。
 特に前庭動眼反射などの異常はなく、いわゆるめまいの臨床所見はありません。当人はめまいと感じます。止めようと思えば止められるけど、放っておくと動いてしまう。この解釈をどうするべきか?仰向けに寝てもらった時に腰部や体幹の動揺性は無くなりますが、頸部の屈伸のみがおきます。丹念にみていくと呼吸による動きと同期していることがわかりました。呼吸による腹部の内圧のリズムと振幅に頸部の屈伸が同期するということは、呼吸でさえも抑制できない頸部の何らかの不安定性があると解釈できます。
 臨床思考過程としてはそのような仮設をもとに、たぐって行くと頸椎の2番あたりに動きの視点があることが突き止められました。つまい二番には下頭斜筋が付いており、その筋肉が全く動いていなかったのです。触診しても普通は少し筋腹が感じられるものですが、骨にへばりついたようにほとんどその実態が感じられません。
 
①上位頸椎:上下の頭斜筋の働きとしては、眼球運動の左右の動きを制御しています。よって促通するときも眼球運動によって促通します。大切な時は必ず促通する筋肉を触診しながら行います。この触診しながら支点を作ってアプローチするのです。漫然と眼球運動をやっていればつくというものではないのです。

②中位頸椎:眼球の下方運動にて促通します。上下ではなく下方です。その時も促通したい頸部筋肉を触診しながら頸椎は動かさないようにしながら実施します。

③下位頸椎:下位頸椎は下顎の開口運動です。上顎を固定して下顎のみを下げるのがポイントです。

頸部の筋力トレーニングはisometricに抵抗を加えるというものが多いですが、これではインナーマッスルの落ちた事例については十分ではありません。isolationしながら個別にアプローチしなければ構築できないのです。インナーマッスルがついてきたら、従来の筋力トレーニングに移行していきます。

頸部インナーマッスルの特徴:頸部インナーマッスルは椎前筋(前頭直筋/外側頭直筋/頚長筋/頭長筋)が促通されると、後頸筋お自然と促通されます。つまり拮抗する筋肉のちょっとしたバランスによって拮抗関係を平衡にするための作用が働くのです。これが体幹の筋肉よりもより顕著な特徴です。アウターマッスルではこのようなことは起きないのですが、インナーマッスルだとセンタリングの作用もあるので、円周のどこかの支持が促通されると自然に拮抗する筋肉も促通されるのです。








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