脊椎固定術後の理学療法Ⅱ

脊椎固定術後の理学療法Ⅱ

 
手順
①肢位:Prone 種目:呼吸訓練 目的:腰方形筋による腰部の左右拡張
 運動療法のスタートしてうつ伏せから始めます。既に抗重力の上方に背筋が向いていることそのものが、筋肉への刺激になるからです。うつ伏せは円背の人にとっては最初は危険なイメージがありますが、枕を腹部に敷くなどして盛り上げることで対処できます。固定しているので反らした背筋運動をすることはできません。四肢と頭頚部の伸展運動などにて背筋に刺激をいれてきます。対象は背筋も多裂筋のみならず固有背筋である最長筋や腸肋筋などになります。
 呼吸訓練のターゲットは腰方形筋になります。この腰方形筋は腸骨のPIおよびout-flareに働きます。つまり呼吸によっても本来は腰背部のインナーマッスルは促通されなければいけません。この仙腸関節が固くなったり動きが低下すると一呼吸一呼吸による促通が無くなります。
 まずは固定された脊椎のリハビリは、呼吸により最少単位の運動の連鎖を促通することによって、より負担の少ない方法を選択することから始まります。つまりは、呼吸により仙腸関節の連鎖は実は健常者でもできていないことが多いのです。
 だからこそ体幹が固くなり、機能障害へとつながっていくのです。よって健常者でもなかなか維持していることが難しい仙腸関節の呼吸動態が得られるということは、もっている潜在能力を引き出すということでもあります。固定されてことで失った機能を補うのは、脳血管疾患と同じで周りの側副路ということになります。

 ②種目:股関節伸展運動
 呼吸運動からの流れとして股関節伸展です。ここでポイントは背筋の柔軟性です。四つ這いエクササイズでも述べますが、背筋をできるだけリラックスした状態を保持しての伸展です。ただ下肢は重いので普通にやれば柔らかく保持することは困難です。そこは下腿とベッドの間にボールを置いたりクッションを挟んだりしながら、下肢の重さを免荷しながら実施します。


四つ這いでのバランスエクササイズ
 うつ伏せから四つ這いへの体位変換は比較的容易です。四つ這いは四肢の安定性と腰背部のstabilityが求められます。ポイントは腰背部の筋肉の柔らかさを保持するということです。背筋はコンパートメントの機能ではなくソフトな状態を維持しながら伸展運動を行うことが求められます。それは背筋そのものではなく中心にある軸形成二関わっている腸腰筋の促通につながるからです。背筋のリラックスによる股関節の伸展は実は大腰筋の促通になります。直接の脊椎分節運動が制限されているなかで、どれだけ四肢の運動や呼吸にて体幹の支持性を得ていけるかがカギになるのです。
 ③四つ這いのエクササイズ1
 四つ這いになって腰椎の前弯をできるだけ保持して、前後に体幹を移動させます。四つ這いにて前後に平行移動するということは、肩甲骨や骨盤の可動性につながります。骨盤と肩甲骨の可動は背筋の滑走性を促します。ここでもポイントは呼吸になります。四つ這いにて臀部を後方に引くときは一般的には腰背部は丸くなります。つまり伸展に保持するということだけでも筋肉の促通になるのです。関節運動を起こさなくても促通できる方法にてアプローチすることこそがポイントになります。またそこに吸気を加えることでさらに促通効果が期待できます。つまり四つ這いでの臀部の後方移動は仙腸関節レベルではinflareになるからです。そこに吸気でのoutflareを加えることで、自然に抵抗運動となって促通されるということです。

 ④四つ這いエクササイズ2
 四つ這いでは上下肢バランスエクササイズ:四肢を伸ばすエクササイズは四つ這いではルーチンとなっている種目になります。そこに背筋の筋緊張の適度な柔軟性を保てる肢位を見つけて、そこの保持しながらの四肢のバランスエクササイズになります。これは難易度は相当高くて、健常者においても難しいものです。気を付けなければいけないのは、下肢に比べて上肢の拳上は困難です。胸椎まで固定されている場合は尚更で、いかに胸椎や腰椎の動きは上肢の拳上に連鎖として大切であるかを示しています。上肢拳上は外転などの挙げ方に変換して実施します。

⑤両ひざ立ちエクササイズ
 脊柱管狭窄症に限らずですが、前屈気味つまり股関節屈曲傾向にあります。つまり股関節を伸展位にて両膝立ちを保持することは結構難しいのです。可動性として伸展が得られていても、伸展位にて抗重力位にて保持するこ
は別の問題です。特に膝立ちは股関節の機能がクローズアップされるのでとても難しいのです。脊柱管狭窄症の人は術前が前屈みであることが大半ですので、最初は難しいのです。しかしながら立位などで前屈みは結局背筋の固さを誘発し、腰背部の愁訴へとつながるので、この姿勢に通じるエクササイズはとても大切です。

 
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