健側という概念

健常側はあるのか?

 健常側が患側を既定する
 理学療法において身体機能障害をみていくなかで、健常側が観測を既定している場面が多々見られます。
つまり患側は診断名がつくところであり、外科的にも手術などの方法が選択肢となるためメインであることは間違いありません。患者も患部の痛みで受診するわけであり、そこを治して欲しいと訴えてくるわけです。しかしながら、リハビリを施術していると最初は当然患側へのアプローチをするのですが、あるところでプラトーになる時期があります。最初の急性期を脱せれば生活をすること自体はなんとかできるわけです。しかしながら、患者というか人間というのは良くなるとさらに細かい愁訴が気になってくるものです。そこは、最初より良くなったんだから・・という慰めにて納得してもらうことになるのですが、痛みや愁訴があるものを納得はなかなかできないのものです。できるならば良くなりたいと誰もが思うわけです。
 歩行においてもそうです。歩行は左右の足が交互に着くわけで立脚側が遊脚側を既定していることが多々あります。つまり患側の遊脚は健側の立脚に既定される、また当然健側は患側の立脚に既定されるわけです。確かにまずは患側の立脚を既定して健側にてかばわなくていいようにするという場面もあります。外傷などの急性期においては、健側でかばうあまり運動学的に不合理な動きをコントロールする必要があります。しかし、かたや受傷起点がはっきりしない慢性疾患。退行性変性疾患。廃用症候群。といった事例においては健側でかばうというよりも、結果的に健側になってしまったという表現のほうが正しくなります。つまり外傷ではなく、長い年月により左右バランスが崩れ結果的にどちらかの脚や腰に問題がでたとするならば、それはもはや健側とか患側ということではなく、左右のバランスのなかで起こった事象として結果的に痛が出た側ということになります。

腰痛の場合 
 最近腰痛などでは、大半はこの健側を思しき側に問題がある場合が多々あります。つまりいくら患側を対象療法的にみたとしても、健側への荷重バランスをコントロールしなければ改善しないのです。もう少し言うと健側のみをアプローチして患側の症状を軽減させる場面が本当に多いのです。
 例えば健側とは患側をかばっている側ですので、大半は荷重している側になります。そうすると荷重は足底の外側にかかりいわゆる外側系のテンションが高くなります。腓骨筋とかTFLなどです。そうすると床反力のベクトルは必然的に正中から外れ、外側にそれてしまいます。本来は骨の伝導を上手く使っていくいわゆる骨を掴むことが身体操作としては合理的なのですが、靭帯や筋膜に負担がかかり結果的に筋緊張が上がってしまいます。荷重側があるということは非荷重側があるということであり、非荷重側はいわゆる廃用になってきます。不思議なもので荷重、非荷重といっても歩くときは必ず片足になるわけでそういった意味においては全体重が片足にかかっているということを考慮すると、荷重側・非荷重側というのも動的ななかでは不適な表現なのかもしれません。いじれにせよ左右の足腰は筋肉の量という観点から見ても必ずといっていいほど左右差があるわけで、利き手がある非荷重関節の上肢ならまだしも、下肢にも左右差があるというのは不思議といえば不思議です。このあたりのメカニズムはまた項を改めて述べたいと思います。
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