頭頸部を胴体にのせる

頭頸部を胴体にのせる

 
 頭頸部を胴体に乗せる。実はとても難しい課題なのです。何故なら不良姿勢の大半は頭が前にいわゆるhead forwardにあるのです。猫背もしかり、頭が前に出ていていいことは何一つありません。重たい頭が前方に垂れていたのでは頸部や腰部に負担がかかるのは当たり前です。TOSなども結局はこの不良姿勢に原因があります。もともとの素因としてこの不良姿勢があり、そこに交通外傷などが加わることで結果的に治癒が遅延するということになります。
 この頭を胴体に矢状面上に乗せるといつことのむずかしさは、皆さん痛感されていることと思います。高齢者は既に脊柱そのものが変形していることも多く、物理的に直立化することが困難であることも多々あります。
若者であっても不良姿勢はそんな簡単には戻らないことは自分を例にとっても明らかです。無理やり意識して姿勢をよくしようとして、継続できる人はいません。むしろ胸を張りすぎてかえって調子が悪くなるぐらいのものです。しかし頸部に問題がでてしまうと、筋肉をほぐそうと、頸椎の可動性を改善しようともアライメントが悪ければ直ぐに元に戻ってしまいます。当たりえ前のことですが抗重力にていかに負担のない姿勢なりにできるかが治癒のカギを握るのです。いかにステップを示します。

①肩甲骨を胸郭に貼り付ける
 肩甲骨のstabilityを高めるということになります。胸郭に張り付くことで肩甲骨周囲の筋肉の緊張は正常化します。しかし、そこにもう一つ問題があります。猫背の姿勢は胸郭そのものが既に円くなっており、貼り付けようとするとさらになで肩になってしまうのではないかという懸念です。胸郭を先にそらして肩甲骨を内転させるというのが、よくやられる姿勢を良くするという手順だと思いますが、かえって胸椎を逸らしすぎたり、胸腰移行部が伸展してしまったり、肩甲骨が内転して内側縁が浮いてしまったりという間違った代償を引き起こしやすいのです。このあたりを一元化して胸を張るというやり方では目的を達成できない難しさがあります。
 ただ第一段階として肩甲骨を胸郭にしっかりとstabilzeさせる必要性はあります。肩甲骨上部は肩甲挙筋や肩甲舌骨筋にて、そして前鋸筋の促通などになります。肩甲骨を寄せるという作業が確かに胸を張るという動きと連動はしますが、もともと肩甲骨が浮くほど寄る意味はありません。

②胸郭~肩甲間
 肩甲間部はむしろ開くように胸を張るのです。
矛盾した動きかもしれませんが、これがベストなのです。閉じるつもりで胸を張ると内転しすぎます。時にはマッサージの延長線上として寄せてすっきりさせることも有効ですが、常に寄っていることの意味はありません。人間の機能的な身体は隣接する部位が拮抗した動きをすることでバランスがとれるのです。一方向性に全て動いてしまうと、それは偏りになります。傾きにもつながります。よって胸郭を開き、それも縦ではなく横です。呼吸は背骨んの伸縮に同期してやりがちですが、本当は横に広がることで脊柱のアライメントを崩さずに呼吸ができるのです。横に拡張させそして肩甲骨を開くようなイメージにて前鋸筋をきかせます。すると内側縁が浮かないで張り付いた肩甲胸郭関節を形成することができます。いわゆるstabilityができた肩甲骨になりますので、筋緊張は正常化します。

③頸椎~腰椎の前彎を促がす
 ①と②に同期してさらに脊柱のS字カーブの形成が不可欠になります。ターゲットは頭頸部を胴体に乗せることです。胸郭と肩甲骨のアプローチにて脊柱も必ず連動はしてきますが、直接そこに視点をおいてアプローチすることが大切です。結果的にではなくて、そこに着目してアプローチすることの必要性は必ずあります。
 やり方としては吸気にて上半身を全体的に後傾させます。座位が望ましいですね。その時に全体的に脊柱が伸展するのを利用して腰椎と頸椎の前彎を形成しながら行います。肩甲骨は胸郭から浮かないように胸郭を拡張させると胴体に頭部が乗ってきます。そこからアライメントが崩れないように正中位に戻すことで、人によっては頭と首が胴体にめり込んだように感じるという感想が得られます。めり込んでいるというのはnegativeにも聞こえますが、いつもは外れていた頭部の重みが乗っていると解釈できます。
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