身体運動学セミナーⅢ 報告2

身体運動学セミナーⅢ 報告


住谷昌彦
東京大学医学部附属病院麻酔科・痛みセンター
の報告をさせていただきます。
痛みに対しての認知神経学的アプローチとそのメカニズムにつてご講演いただきました。福岡での日本カイロプラクティック徒手医学会にてご講演を拝聴しその内容に衝撃をうけたたことが今回のジョイントに繋がっています。
麻酔科の医師が何故、認知神経学的なアプローチにて痛みを解釈しまたアプローチしているのか?その事実にも驚きましたし、痛みのアプローチがプリズムにて行い、そして効果がでているというその襲撃です。痛みと言えば徒手療法にて運動学的なメカニカルストレスを考えてアプローチすることが常ですが、その痛みの機序が必ずしも末梢性の問題ばかりではなく、脳の問題にても起こりうるという事実です。認知運動療法にて体性感覚からのアプローチの積み重ねが麻痺の回復につながったり、身体イメージと構造的な一致をみることがすぐれたperformanceにつながることは承知していましたが、痛みのメカニズムに関して視覚的イメージとフィジカルとの不一致、というつながりは発想としてつながりませんでした。講義内容は以下の通りです。

複合性局所疼痛症候群(Complex Regional Pain Syndrome, CRPS)に対する認知神経リハビリテーションとそのメカニズム
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複合性局所疼痛症侯群Complex regional pain syndrome (CRPS) type 1はこれまで、反射性交感神経性萎縮症(RSD)や肩手症候群呼ばれてきた。神経損傷を伴うことがその定義にあるCRPS type 2(かつてカウザルギーと呼ばれていた)と異なり、CRPS type 1は神経損傷を伴わないことが定義されているが、最近では神経線維の軸索消失や交感神経節に対する自己抗体が指摘されており、神経障害を客観的に示す報告もある。しかし、CRPS type 1は些細な打撲など神経障害の機転がおよそ発生しないはずの状況を契機に発症することも珍しくない。
そこで本発表では、
1)CRPSを判定する上での考え方(判定視標の開発とその使用)
2)CRPSの発症機序として不動化に着目し、その神経可塑性への影響と治療応用


CRPS type 1は神経損傷を伴わない。理学療法においても痛みは坐骨神経などが伴った神経が関係しているものも多いですが、あとは関節のメカニカルストレスという解釈になります。しかし、今まで扱ってきた痛みの症例においても、その二つとは違うものが潜んでいた可能性があります。
 最近、こういう経験をしました。奥歯が欠けて歯医者にて治療に通っていたときのことです。当然、痛みを伴うわけです。研磨して仮の詰め物をしてもらって一週間、とても欠けた歯では噛めません。一週間後に仮の埋物を取り外し、作成したインレーを合わせこみます。事前に陽性型をとって作成しているはずですが実際にはなかなかスムーズには入らないものです。入っても高さが合わなかったりと微調整が必要です。明らかに一点が当たって痛い。全く噛めそうな気がしない。つまり高さとかではなく歯の床そのものが指で押しても痛いのです。
 当たらなくても既に痛いものはいくら詰め物がフィットしても絶対痛いだろう・・半ばどうしようもないと思いだした。トリミングして合わせてくれる歯科衛生士さん。何度も入れは外しに少し閉口気味になりそうでしたが、ここは衛生士さんにも成長してもらわねばと協力する。ところが何度か合わせていくうちにピタッと痛みが止まった。あれ?歯を入れなくても舌で触っても痛かった部位が、まったく痛まなくなったのです。これは?もしかしたらピタッとはまったことに寄り、脳が歯肉だか歯の形と脳内の身体表象ならぬ歯表象が一致し、痛みという情報が途絶えたのか??人間の身体は不思議です。

この身体運動学セミナーは私のこれまでの認知運動療法や大学院での知覚と運動という観点をさらに臨床に結び付けてくれるものでした。つまり、認知的なアプローチのみならず徒手やエクササイズなどの従来のリハビリスキルとの連携です。全く別物としての治療体系から始まった認知運動療法と従来の運動療法や徒手療法。そこに治癒という現実がある限りきっても切り離せないものであるはずなのです。
 繰り返しひたすら関節運動をすることが学習につながるここと、脳内の領域を広げてくれることは間違いありません。選択的に使う、意識する。そのシンプルな現実に目を向けて考えていくと治療効果を挙げている方法には共通の原理原則があります。
 兼ねてより正中重力線ラインのアプローチは効果が高いことは分かっていました。正確には脊柱と重力線が一致すると物凄い効果が発現する事実を目の当たりにしてきました。カイロプラクティックや整体などはまさにこの中心ラインに対してのアプローチであり、理学療法のようの生活や機序などの全体的な評価でなくても脊柱のみをみて矯正もしくはアプローチをして効果を出していくその文化の違いを眼のあたりにしてきました。
 しかし今回の住谷昌彦先生の講義にて、いわゆる視覚的なイメージと身体の空間的な不一致が違和感につながり、その違和感は人によって表出のされ方が違うようです。全員ではないですが痛みが不快感の一番に来る人は少なくないはずです。そのひとにとって脳内の不一致をどのような愁訴として訴えるかはそれぞれのようです。



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