おきなわ運動連鎖道場12月みなさん良いお年を~
年の暮れも暮れ12月27~28日の二日間、おきなわ運動連鎖道場の4~5回が開催されました。暮れは忘年会続きで沖縄人の皆さんは胃と肝臓をやられているようで、かなり疲弊しているようでした。年末の沖縄は連日連夜宴が繰り広げられているようです。私も年末は何かと立て込んでいて、疲労気味でした。さて二日間の内容は骨盤帯の運動連鎖とインソールです。一日目は二宮先生のピラティスレッスンも開催されました。骨盤帯は私自身がそれこそ小中学生から取組んでいるライフワークです。小学生に沖先生のヨガに出会い、骨盤矯正なるアーサナを知りました。高校時代には自らの骨盤の歪みを自覚し、当時陸上競技をしていた自分は、骨盤が矯正されなければ速く走れないとはっきりと自覚しました。リハビリの学校に入学後は、走りながら骨盤矯正する方法を自ら編み出し、その三年後には完全に自らのものにしました。臨床でも当然のように、骨盤に興味を持って研究に取組みました。仙腸関節の変位は明らかに動きに影響を与えているということです。特に左右の荷重バランスに関連が深く、仙腸関節へのアプローチにて即時的にバランスが変化するのです。運動連鎖道場では腸骨の変位であるASとPIを基本として、その特性と評価およびアプローチを実習しました。

坐骨の調整。蝶形骨の調整にも使えます。
最近のマイトピックスは骨盤底と骨盤の開閉です。骨盤を一塊とした考え方では、前後傾にて機能的な有無を述べる術しかありません。結論は後傾はダメで前傾が機能的だということです。前後傾例え一度でも違えば全く作用は違ってきます。しかしながら結論が前傾がいいだけでは、臨床で解決することが少なすぎます。理論はガイドラインとして知っておけばいいことで、臨床では個別性にいかに対応できるかが鍵を握ります。よって、理屈と臨床は似て否なるものなのです。骨盤の前傾でも、腸骨は後傾である場合が少なくありません。骨盤前傾と腰椎の前彎が強くても、腸骨レベルは逆の力が作用しており、アプローチは腸骨の前傾を促さなければ腰痛の改善には至りません。さらに腸骨のアライメントには左右差があり、恥骨や第5腰椎の変位、さらには股関節の機能も加わって多様な様相を呈しているのです。今だに難しいと感じる骨盤ですが、今更ながらにコア~ユニットである、骨盤底とスタビリティーを指標としたアプローチと仙腸関節のアライメントとの相関が非常に高いということです。骨関節、筋肉、アライメント、動作などの条件を網羅しながら、症状の改善と最短距離にあるアプローチは、能動的なコア~の筋活動を伴ったアプローチが最も効率的なのです。つまり腹壁の筋活動を指標としながら、骨盤のアライメントを評価バッテリーに加えることで、さらにコア~の皿である骨盤のアライメントも網羅できるのです。

WPI(両側腸骨後傾症候群)がいない沖縄県人。7~8年前に受けた衝撃は今でも健在でした。なんとなくホットしました。沖縄の身体特性が失われることは沖縄の魅力や文化にも影響を及ぼしかねないからです。関東と違ってしこ踏みはほぼ完璧にできる骨盤を有しています。全体的に開いた骨盤ですが、無理のないニュートラルな骨盤です。両足で均等に立ち続けられる身体機能特性を有しています。
一日目の午後には湯布院らスポット参加してくれた、吉田君が脳卒中に対するボディーワークコンセプトを取り入れた症例報告をしてくれました。抗重力下にて早期からコア~ユニットを促通すべく装具やサイドケインを用いて歩行訓練をします。そこまでならとりたてて珍しくありませんが、3単位のうち2単位は歩行訓練にあてているということです。質より量の積み重ねが圧倒的に大切なこともあります。この歩行訓練のベースを基に、bodyworkコンセプトを積み上げていきます。プレゼンのビデオを見た印象としては、脳卒中特有の歩容は残りつつも、非常に実践的な歩行をしているということです。リズムとスピードと安定感といった観点からみると明らかに進捗具合は早いです。つまり体力があるのです。運動のcapasityがあります。一か月二か月と明らかな進歩がみられます。365日リハビリを妄評としている病院はいくつかありますが、そのメリットをベースに積み上げたリハビリコンセプトだと感じました。
頸部の分離や立ち上がり時に骨盤前傾、コア~ユニットを促すアプローチを随所に取り入れることで、コア~を高めていきます。さらに神経学的な経路として周辺視や無意識下での内促系の運動系を促すべく、どちらかというとぼーっとした状態にてエクササイズをします。合掌姿勢や2Wayストレッチ時の超音波で腹筋をみると、体幹の長軸上の能動的な牽引は腹横筋の収縮を促します。

湯布院の吉田くんによる症例発表。ADLの自立という理念のもとにbodyworkコンセプトを加えた新しいコンセプトにてアプローチ。道場生納得のすばらしい内容でとても勉強になりました。

二宮先生によるbodywork。みなさん筋肉痛でした。自称一般人代表と公言している通り、ダイナミックさやアクロバティックよりも、いい意味で「地味~に」内在的な調整がされやすいシークエンスとなっています。そこが多くのクライアンを抱えるスタジオとして成功している秘訣なのかもしれません。インストラクター自身の価値観や身体特性など、身の丈にあったコンセプトが大事なんだと再認識しました。もちろん努力は必要ですが、決してスーパーなbodyworkerになる必要はありません。

インソール作成中。後足部の評価とアプローチの後に、歩行時に床反力を触察にて評価し、靴を履の上から床面との接地具合をみる。インソール第4層になります。

吉田クンが作成したインソール。アートですね~。パートナーは安定した機能的な歩きを獲得できました。
次回はfinalです。1月にて卒業です。みなさん頑張りましょう。