運動連鎖道場4期生第3回研修会報告
仙腸関節の制限因子の評価:前仙腸靭帯と後仙腸靭帯の検査
11/23日曜日運動連鎖道場4期生の第3回目の研修会が開催されました。今回のテーマは下肢骨盤帯の運動連鎖です。骨盤特に仙腸関節は私自身のライフワークといっていいほど、取組んできたテーマです。何年たっても難しいと感じる骨盤ですが、この骨盤の特に仙腸関節を知ると知らないとでは臨床が雲泥の差がでてしまいます。つまり骨盤という塊から、仙腸関節という動く関節に意識を変えるだけでいいのです。例えば骨盤になると前後傾、座圧などバリエーションは限られてきます。後傾は悪くて前傾は良いという二元論になってしまいます。しかしながら、仙腸関節となると骨盤前傾のなかでの腸骨の後傾、骨盤後傾のなかで腸骨がさらに後傾などバリエーションがグッと増えて来ます。また左右差もありますから、三次元的にアライメントを紐解くことで、さらに機能障害の解釈が広がります。仙腸関節の変位を内在しつつ骨盤の前傾後傾といわれても、その前傾なりは各々全く違うアライメントになってしまうのです。さて運動連鎖道場ではまず仙腸関節の解説をして、まずは脚長差と骨盤変位の見方を実習しました。そしてユ~ユ~ボールを使った仙腸関節に対するアプローチです。徒手療法では数々のアプローチ方法がありますが、結局他動的に矯正したところで、ポジションによってまた新たな問題がでてきます。能動的なアプローチこそが、結局最も効率の良い治療方法になるのです。簡単で効果的で患者さん自身ができる運動療法として、ユ~ユ~ボールを使うのです。

仙骨に対する腸骨の滑りや、腸骨に対する仙骨の滑りを座位でボールを左右股関節に位置させ、骨盤を前後傾させるだけでいいのです。他にも内外旋や内外転のエクササイズもあります。そして下肢との連鎖性をみるためのストラティーエクササイズです。また前額面では左右のストラテジーです。股関節内外転が主な動きになりますが、足の内外側荷重の組み合わせにより骨盤のswayの割合が変わってきます。
また足関節底背屈位にて股関節屈伸のエクササイズの組み合わせにて姿勢制御を促します。また小趾、母趾側に荷重しながらのカーフレイズにて、膝関節の回旋の度合をみていきます。
道場も三回目となると皆さんいい雰囲気になってきました。参加者みなさんが一体となった空気のなかでドンドン吸収力が高まってきているのを感じます。まずは道場の雰囲気になれること、これで時間がかかります。そして運動連鎖モードになってきたころに終わってしまうのは残念ですが、一度火がついたらあとは燃やしていくだけですね。