「セレビーウォーキング」誕生
第5回目のウォーキングセミナーも終わり、残すところあと一回となりました。各方面でちょくちょくウォーキングセミナーを開催するようになって、大分そのメソッドが確立してきた感があります。第4回目までにほとんどの歩行の要素は述べたように思ったのですが、第5回目の今回が最も劇的に参加者の変化がみられました。私も予想外だったのですが、仙腸関節のアライメントというのはいわゆる徒手療法にて可動性をだしたとしても立位のなかで身体のなかでどのような位置関係にあれば維持できるかという問題の解決にはなりません。仙腸関節の調整方法は仙骨由来のテクニックから腸骨由来のテクニックへの変遷がみられますが、それでもまだ動きのなかに姿勢のなかに歩行のなかに取り込まれるには、また別の要素が必要なのです。実際に患者さまにおいてもそのような適応の方が機能障害として残ってきます。今回、行ったテクニックは仙腸関節のアライメントを座位にて整えそれを維持させるべく立位へ移行し、歩行へとつなぐというものです。詳細は企業秘密でもないですが是非講習会にて・・・さて、実際の歩行が綺麗になるということは我々が日常行っている歩行分析では表現しきれないものがあります。いわゆる優雅であるとか軽やかという表現でしか表記できないもので、参加者ともなんども表現できないね~という感じでした。本当に綺麗に歩くということはなんらかの巧みな動きや滑らかさ・などを全体的にみているんだと思いますが、今回に限って言えば本当に優雅な歩きを実感できた機会となりました。今までは、和風・洋風の歩行形態をマスターするべきトレーニングをしてきましたが、動作課題をマスターするという目的の達成はできていきてはいましたが、綺麗という表現にはいたりませんでした。つまり、今回のセミナーをするなかで「セレブ」というイメージが湧き上がってきました。そして名づけて運動連鎖アプローチ研究会の提唱する歩行メソッドを「セレビーウォーキング」と命名しました。本当に女性陣においては優雅で綺麗になるのでびっくりしました。思わず振り返りたくなるような・・そんな感じです。骨盤のアライメントを整えた位置をさらに保持するべき立位歩行につなげると、自らの身体イメージは劇的に変化をします。こんなに反っていいの、こんないお尻を突き出していいの?という感想を述べられます。しかしながら、傍から見るとそれほどでもないというのが実際です。
運動指導士さんのための研修会にて
5月7日の日曜日に東京多摩地区の昭島スポーツセンターというところで、運動指導士さん達の集まりに呼ばれてウォーキングについて話してきました。今後介護予防事業においては、このような指導士さんたちの尽力なくしては運営できない状況にあります。そのバイタリティーと行動力そして身体能力には感服するのみです。指導士さんたちは毎日我々セラピストと同じく臨床にでているようなものですので、それこそあらゆる運動のメソッドを学びとろうとしています。レクレーショナル的な内容から健康、リハビリにいたるまで断片的かもしれませんが、貪欲に学ぶ姿勢はすばらしいものがあります。我々医療従事者は病院に帰属しているがゆえに制約もありますが、現場を自らのidentityを発揮して活躍しているその姿には躍動感さえ感じます。
さて内容ですが、関東ではWPIといういわゆる両側骨盤後傾症候群のような人たちが多いことは述べましたが、この運動士さんたちはものが違いました。それでは開脚してくださいというと、ほとんどの方々がベッタリと頭がついていしまいます。そのほとんどが股関節の内旋代償動作が入っておらず、ほぼ完璧な状態で遂行できます。また四股踏みスクワットも骨盤・腰椎を前傾させたままできる方ばかりです。理学療法士ももちろん運動指導をするのですが、指導士の方々は動きの見本をみせて体操を行うわけですのでさすがです。それも今回参加された方々は年齢的には私の母親世代の方々が多いのですから二度びっくりです。
歩行の上達具合もたったの2時間でしたが、その早いこと・・洋風型に関してはほぼマスターした感じです。これからは、スポーツでいえば現場のトレーナーのような立場の運動指導士さんたちのタッグをくんで我々セラピストも地域に貢献していくことこそが新たな道を開くものと確信した次第です。大学の体育関係者や世間のフィットネス関係者などが世間に対するアピール度と採用度は圧倒的なシェアを占めています。理学療法のメソッドなりが現場に入っていくことはかなり少ないように思われます。もちろん、介護予防としての運動療法のルーチンはできるのですが、トピックスとしての面白さというものが足りないんですよね~つまり、現場の運動指導士さんたちが面白そうだなと思える内容が必要なのです。
そして、本日も横浜の介護予防事業の一環として行われているフットケアー講習会の一講義を持つ機会があったのですが、そこでも各自治体で活躍されている運動指導士さん達が50名あまり参加されていました。先日のことがありましたので、並大抵のポテンシャルではないんだろうな・・と思いながら話をしていました。外観からもかなり運動能力の高そうな方々が多くいらっしゃって、その食い入るような学ぶ視線はモノが違うなということがすぎに感じ取れました。
ゴールデンウィークの最初の連休である4月28.29日に池袋簡保ヘルスプラザにて開催いたしました、運動連鎖アプローチ研究会inPART25
「解剖学的な見地からみたストレッチ」について報告いたします。
参加者は60名あまり、とても若いセラピストが多い研修会でした、
解剖やストレッチといいますと、若いセラピストにとっては最も馴染みやすい治療手技であると思われます。逆にいえばある程度の経験者にとって、あまりにも日常的で既にクリアしてきた内容であるといえるかもしれません。今回の研修会の経験年数などをみてみると、それが如実に表われていました。本当にストレッチは簡単なのか・・
講師の祝先生は実際には治療手技としてのストレッチは頻用されていないということでした。単純に可動域制限を筋の短縮という機能障害に限局できないといことを経験とともに分かってくるからでしょう。機能障害として可動域制限は主動作筋・拮抗筋の促通と抑制もしくは筋連結として遠位と近位との関連性など複雑に絡み合っているがゆえに、局所へのダイレクトなアプローチが対症療法であり、根本原因の解決にはなりえないともいえます。徒手療法という観点からみてもストレッチはむしろ準備体操のような位置づけにあるのかもしれません。今回はストレッチというテーマを掲げた解剖学的な講義でしたが、解剖そのものは全ての治療イメージを構成する生命線ですので、改めて解剖学的な知見を振り返れる、つまり原点回帰の機会ではなかったかと思われます。今回は内容としては下肢のハムストリングス、腸腰筋、頸部筋群などについてレクチャーいただきました。おそらく、若いセラピストにとっては凄く勉強になったことは表情や感想を聞いてみてもわかりました。
今回の池袋での開催は、インストラクターである中島さんの都会への憧れが高じて企画されたものであることを付け加えておきます。
それでは、私山本尚司の講義内容については次回に報告いたします。