第三回軽井沢合宿講座 直前情報part3

6/17土曜日-18日曜日 軽井沢合宿講座 ナイトセミナーやまもとひさし 直前情報

夏の保養地としても有名な軽井沢での恒例の軽井沢合宿講座の直前情報第三弾になります。

今回は講師の小林、芹澤に続いての6/17ナイトセミナーとして特別講義にて登壇する代表山本による内容をご紹介します。

テーマ『胸椎の機能障害の考え方~ニューエクササイズ~理論とボディワーク~』
2050年には3人に1人が高齢化を迎える社会において、立って歩けるという視点がますますフローズアップされる世の中になります。痛みがとれる!楽になるという、その先には抗重力下における耐容度があり、身体を動かすことによる維持と増進が必須となります。
この抗重力における適応として、上下のストラテジーがあります。つまり加齢に伴う身長が縮むという現象です。この時のストラテジーとして膝と脊柱の屈曲が選択されることが多く、脊椎カーブの破綻が起きてきます。この脊椎カーブは頚椎、腰椎の前弯、胸椎の後弯全てが破綻してくることになり、その中でも若年からモビリティが低下しやすいのが胸椎となります。もちろん若年において、腰椎はスポーツ外傷による分離症やヘルニアなどの椎間板障害、さらに頸部においては、スマホ症候群などに代表される、生活習慣病としてのアライメント障害であるストレートネック!いわゆるネックと腰部はアライメントの破綻であり、胸椎はモビリティの問題となります。アライメントにおいては可動性のある頚椎と腰椎においては、なかなか定位を保持することが難しく、いわゆる座位における作業姿勢において、楽にとれる戦略として屈曲があるからです。また胸椎のモビリティの欠如は頚胸移行部の過剰な負担につながります。胸腰移行部においては骨盤の後傾に伴う、腰椎の伸展による脊柱起立筋の過緊張が、結果的に背骨の直立化を増長させます。
そして硬くなった脊柱起立筋は胸椎の可動性を低下させ、頚椎に負担が移行されるという機序です。胸椎はアライメントだけでなく、睡眠不足や精神的な緊張感によっても容易に硬くなりやすく、交感神経節の髄節からも内臓との関係もあります。つまり胸椎のモビリティが低下することにより、頚椎と腰椎にも波及してしまうことも考えられるということです。脊柱起立筋の緊張による胸椎のモビリティ低下による交感神経の緊張もあるでしょう。何れにせよ胸椎は頚椎や腰椎のようにヘルニアや椎間板障害、骨折なども比較的少ないが故に、上下椎間のその煽りをモロに受けてしまう可能性が高いということです。
大きな整形外科的な疾病がないが故に保存的に加療できる対象でもあり、あらゆる悪循環を断つための選択肢として利用できるのです。
胸椎を緩めるというのは一見簡単そうで、実際、臨床の中でかなり難渋しているのです。胸椎の可動性を出すという名目のアプローチは散見されるのですが、実のところ効果の有無を左右するポイントがはっきりしていないのです。

腹式呼吸をすると交感神経の緊張が弛み、副交感神経が優位になるとされてますが、この機序は一体なんなのでしょうか?横隔膜を介して何らかの神経作用によって自律神経に波及するのか?確かに緊張すると呼息が短くなり、吸気が強調されることは明らかですが、この心理的な影響が何故に呼吸に反映するのでしょうか?心理的な緊張感により交感神経が高まるところまでは分かりますが、そこに呼吸との連動性は不思議ですね。瞑想などのいわゆる禅僧のような人が脳波などをとると、確かにα波などの変化が見られますが、果たして鬱病や精神的に本当に追い込まれた人が、心理的に瞑想などをするための準備ができていないわけで、呼吸法することそのものがものすごい精神的な過負荷になっている可能性は否めません。
よって呼吸がそもそもが心理的な影響を受けやすいことを考えると、選択肢として簡単なエクササイズや物理療法などもありとなります。物理療法は完全に他動になりますから、導入としてこれ以上都合の良い手段はありません。しかしながら、他動による効果以上に、筋肉を意図して動かすということは、その効果はどんな徒手療法による関節運動学的なアプローチよりも、顕著に効果を実感することが珍しくありません。
アウターを動かそうとするその行為は、まさに負担です。アウターとはモーメントを発生させ制御の負担が出てきます。またアウターマッスルとは、より能動的に身体を動かそうとする作用であり、精神的に落ちている人からすると嫌なものです。もちろんインナーでも心理的な負担のある人は同じとも言えますが、エアロビクスやトレーニングに代表される健常者のさらに元気になろうとする視点よりも、関節の副運動レベルにてジワリと動かすことの、日常的には殆ど実用的ではない新規なワークとなるのです。
このような考え方のもとに、軽井沢の合宿講座においては、合宿らしい特別セミナーとしての内容をお届けしたいと思います。(^ ^)
乞うご期待ください!
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コメント:3

重力の分散、連動の視点

とし
いつも楽しみに拝見させてもらっています。
姿勢制御と重心コントロールという法則で成り立っており「軸と芯」を進化させる
という事ですが、
では高齢者にどのような運動をしてもらうかという事になろうかと思います。
そのためにいろいろなボディーワークがあると思います。

メカニカルストレスの観点からは例えば重い物を持ち上げる時にある筋肉に過剰な筋収縮が発生し、そのためある部位にメカニカルストレスが生じる訳ですが私も50になり数年前より武術家が行っている稽古に通っておりますが脱力、あるいは連動を中心とした稽古になっています。「脱力」とは言ってもすべての筋肉が脱力してしまっては倒れてしまいますので、体幹はしっかりさせてある部分は緩めるとかになりますが。その時に大事になるのは感覚だと個人的には思っております。武術家は立っている状態からすでに荷重が分散された状態(全身で立っている)でもあります。
余談ですが、小さい頃からおんぶや砂浜を走ったりするとこのような能力が自然と身に付くとは思うのですが。

また「体の連動」と言った視点からは簡単な方法として甲野先生の手の「ひら返し」や「ひもトレ」などは体幹と下肢、上肢を連動させて分散させる機能を作動させる事になります。
注目するのは、アライメントに関係なくある体の一部に注意を向けたり、ひもをへそに巻くだけで体が繋がる(連動する)という事実です。
わかめ体操等もかなり有効だと思いますが、セラピストでもかなり難易度が高いと言えます。
このような視点は、身体技法研究家に任せるのではなくリハビリでも必要だと思っております。
えらそうな事を言ってすみません。
またいつかお会いできるのを楽しみにしております。

Re: 重力の分散、連動の視点

山本尚司
大変示唆のあるコメントありがとうございます。
身体を突き詰めていく武道の精神を理学療法においても引き継いでいく部門があってもいいはずですね。
自らの身体においても常に発見があり、いくつになってもまだ知らないメカニズムが多々あることを
実感します。
高齢者においてはご指摘の通り、退行性変性が進行しているなかでの
改めて新しい身体に作り変えることは至難の技と言えます。
しかしながら、私自身100歳近いお元気なご老人をみさせていただいていますが、
まさに彼らは達人と言えます。共通しているのは身体を超えた精神を感じることがあります。
またあの激動の時代を生き抜いた気合!でしょうか。
精神性と身体性はどこか不可分な関係にあり、時代が違えばまたその精神構造や身体構造も変化してくるものと思われます。
現代はより文明化したことにより肉体労働つまり身体に過負荷が加わることが少なくなりました。
その反面、合理的に身体をいかに人為的に動かすか?競技などの特性にあった、合目的な身体に中ば人工的に作り出していくことになります。現代は心身に対する、存在の危機ともいうべき体験が減っています。身体の軸と芯を作り出すことで、心身のセンターを人工的に作り出すことで、いわゆる心理的なストレスに打ち勝ち、自らをコントロールすることへの術を欲しているように感じます。多様な価値観を理解しそして共存していくことは困難でありながら、しかしながらそれを求められる時代であると言えます。
おそらく軸と芯とは心のセンタリングと結びついているのだと考えています。
また是非、身体談義ができることを楽しみにしています。

> 姿勢制御と重心コントロールという法則で成り立っており「軸と芯」を進化させる
> という事ですが、
> では高齢者にどのような運動をしてもらうかという事になろうかと思います。
> そのためにいろいろなボディーワークがあると思います。



> メカニカルストレスの観点からは例えば重い物を持ち上げる時にある筋肉に過剰な筋収縮が発生し、そのためある部位にメカニカルストレスが生じる訳ですが私も50になり数年前より武術家が行っている稽古に通っておりますが脱力、あるいは連動を中心とした稽古になっています。「脱力」とは言ってもすべての筋肉が脱力してしまっては倒れてしまいますので、体幹はしっかりさせてある部分は緩めるとかになりますが。その時に大事になるのは感覚だと個人的には思っております。武術家は立っている状態からすでに荷重が分散された状態(全身で立っている)でもあります。
> 余談ですが、小さい頃からおんぶや砂浜を走ったりするとこのような能力が自然と身に付くとは思うのですが。
>
> また「体の連動」と言った視点からは簡単な方法として甲野先生の手の「ひら返し」や「ひもトレ」などは体幹と下肢、上肢を連動させて分散させる機能を作動させる事になります。
> 注目するのは、アライメントに関係なくある体の一部に注意を向けたり、ひもをへそに巻くだけで体が繋がる(連動する)という事実です。
> わかめ体操等もかなり有効だと思いますが、セラピストでもかなり難易度が高いと言えます。
> このような視点は、身体技法研究家に任せるのではなくリハビリでも必要だと思っております。
> えらそうな事を言ってすみません。
> またいつかお会いできるのを楽しみにしております。

深いお話をありがとうございました。

とし
深いお話をありがとうございます。
本当に昔の人はすごいですね。今年も三浦マラソンで5㎞ですが円背で膝の内反変形が強い80歳の方が歩く事なく完走しました。趣味が昔から畑仕事なので納得できますが。

おっしゃるように姿勢制御について注意はもちろんですが、心の状態とも密接に関係しています。数年前よりお父さんより賢い甲野先生の息子さんからもいろいろアドバイスをいただいておりますが、例えば手をパット握ってグーを作ってから何回か連続でジャンプをした時とじゃんけん・ポンと言ってグーを出してから連続でジャンプをした時とではまったく違う飛び方になるかと思います。私の場合は、チョキでも変わりました。多分外国人では変わらないのではないかという事ですが。

今後ともよろしくお願いします。

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